自然言語処理と機械翻訳
翻訳を仕事にしていると、機械翻訳の話題を避けて通れない。
ディープラーニングの登場で、性能が人力翻訳に近づいている機械翻訳。
分野にもよるが、出来の悪い新人翻訳者よりも、下訳としてならよほど使える。
人間ならやらないエラーも多いので、エラーを指摘するのは簡単だが、それぐらいなら一括置換やワードマクロで修正できる部分が大きい。
翻訳者には、専門知識がないので、原文の理解レベルが低い人が多い。
専門知識があり、専門書を読みこなして理解できる翻訳者はごく少ない。
ただ、専門知識があり、分野の専門用語を日本語・対象言語レベルで使いこなせる翻訳者であれば、機械翻訳をつかった高度なエディットができる。
繰り返すが、このレベルに達している翻訳者はごくわずかだ。
機械翻訳はすでにハイレベルな翻訳者にとっては、ただの便利ツールになっている。
ところで、自然言語処理……である。
こちらも技法の進歩はすさまじい。
数式もつかわず、わかりやすい解説で、機械翻訳がわかったつもりの翻訳者には悪夢のような研究が次々と発表されている。
これからの翻訳者は自然言語処理技術を避けてはいられない。
Pythonの知識や、数学の知識は必須だ。
言語を数学的に分析する発想も身につける必要がある。