solon’s blog

英日日英、中日日中の翻訳業。外国語トレーニングを中心に書いています。

モチベーションの先カンブリア時代

年末だが、締め切り年内でありながら、とても無理な仕事が目白押し。


原因は人材不足。
わりあてる人がいない。


理由はいろいろあるが、どうも根底には翻訳業界の深刻な人材不足があると思う。


この業界はいろんな業界から「優秀でありながら会社員が続けられない」人材の流入があって成り立つ。


ところが昨今、30代くらいから「優秀になったかもしれないが会社員であったことがない」人が増えている。
ぶっちゃけた話、会社員であったことがなかった人が実務翻訳者になる可能性はかぎりない低い。
英語ができるだけでなく、業界の実務経験がないとこの手の翻訳はできない。学生や就職未経験の専業主婦からなれる出版翻訳とは、ここが決定的に違う。


日本の企業社会崩壊の余波が、ようやく翻訳業界にも波及して、いまや高年齢化は進むいっぽうだ。


優秀な人は高年齢化しつつ生産量とスキル、業界知識がますます増えるから、帰国子女というだけでお金をもらう翻訳をするのは難しい。英語力があってもこれだから、英語力が弱い国内専門の理科系ではどうにもならない。


そんなわけで業界は絶滅危惧種になりつつある。
生物の種が爆発的に増えた「カンブリア爆発」がいま切実に待たれている。


人材をリクルートして仕事を肩代わりしてもらわないと、ほんと大変なんですから。