solon’s blog

英日日英、中日日中の翻訳業。外国語トレーニングを中心に書いています。

機械翻訳の先には

今年のJTF翻訳祭が終わった。


今回は、機械翻訳関連のセッションを中心に見た。
今年のTCシンポジウムからあまり大きな進展はなかったと思う。


ただし、実務レベルでは、かなり翻訳ベンダー各社は仕様が固まっていると感じた。
発表はほぼ想定範囲内だったし、おそらく隠していることも(何を話していないかも)
想像がつく。


せまい業界だから、だれがどこで何をやっているか、プレイヤーも見当がとれる。


考えてみれば、不気味ではなるが、専門性とはこういうことだ。


フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語は、翻訳業界では
「FIGS」(フイッグス)とひとくくりにされる。


EUの主要言語だからだ。英語はわが業界では世界共通語(コイネー)なので、
外国語とはみなされない。
業界人なら、英語でのコミュニケーションは当然視されているので、英語の読み書きがある程度自在にできないということは業界人ではないということになる。


そこで、同業のヤマガタ・ヨーロッパとヒューマン・サイエンスのセッション発表に触れようと思う。


「FIGS」(フイッグス)の機械翻訳は、ヨーロッパではすでに実用レベルに達している。
業界の常識ではあるが、あらためて事々しく発表されると、すでに足もとまで大波が押し寄せていることを実感する。


出版というこれからますます先細りする業界を除いて、わが産業翻訳業界は、機械翻訳を使わないと未来はない。使いこなすことが生き残る必須戦略になる。


個人翻訳者は、いよいよきつくなるだろう。
もう、津波は予兆ではなくなっている。
これからが、生き残りをかけたレースのはじまりだ。