solon’s blog

英日日英、中日日中の翻訳業。外国語トレーニングを中心に書いています。

心の貯金通帳

同年齢の会社同僚が亡くなった。
突然死だった。


人に好かれて、面倒見がいい。
できた人だった。


何年間も帰宅時刻は深夜をまわっていた。
疲れがたまっていたのかもしれない。


「ストレス」という言葉がただのコマーシャリズムではなく、生き死にかかわる問題になりつつある。


医者から薬を処方してもらうレベルの「うつ」も、数人知り合いに出てきた。

家庭崩壊、失職、失業、障害者手帳という厳しいコースだ。


三浦綾子さん的にいえば、こういう「うつ」や突然死の人は、わたしたちの身代わりとして、「代わって下さった」のである。


自分とは決して無関係とは思わない。


突然死と「うつ」の原因ははっきりしている。
「ストレス」だ。


どんなことも「ストレス」にある。
苦しいこと、不幸だけではない。
幸せになること、昇進、栄転、結婚、出産でさえ大きなストレスになる。


「ストレス」とは、心の貯金がマイナスになった状態だ。
幸せも、その実現のために、心の貯金がすっからかんになる(時には赤字になる)くらい、使い果たしたと考えれば納得がいく。


実際そうなのだから、「ストレス」をやり過ごすには、心の貯金を増やすだけだ。


心理学者によると、ストレスを乗り越える貯金のやり方には3つの方法がある。


それは次の3つだ。
・思いっきり好きなことをする。
・いやだなと思うことはあえてしない。
・身近な自然に触れる


付け加えると、好きなことは人からみて「素敵」と思われる必要はない。
本人が好きなら、アニメ、マンガであってもいい。
フィギュア集めだっていいし、ただ街をぶらつく路上観察の真似事だっていい。


要は自分がちょっと好きだと思うことを、やってみることだ。
ストレスがたまってくると、大好きなことがなんだかもう分からなくなっている。


「ちょっと好き」くらいで、お釣りがくるほど充分だと、経験からいっておく。


あとは「いやなことはしない」。
ストレスにやられる人は、見栄っ張りだから、いやなことをしても「いい人」でありたい。実は「いい人」に見られたいだけなら、こっそり裏で手を抜くからストレスの害を受け付けないのだが、まじめな人は「良心」に振り回されて自爆する。


少しぐらい嫌なやつになっても、突然死んだり、会社に行かなくなるよりは、ましだろうぐらいに考えないと身体がもたない。


あんまりまじめでない人はうまく手を抜く達人だが、ストレスに弱いタイプにそんな芸当はできないと心得ておくのが上策だろう。


最後の身近な自然というのも、重要なポイントだ。
ストレスにやられていると、旅行したり、車や電車で遠出する気力などとっくにない。


近所の川や公園、自然緑地くらいに行くだけで精一杯だ。
そこで、川の水に手を入れたり、歩いたり、樹木にふれるだけでココロが癒える。


こうやっていくと、心の貯金がたまって、貯金通帳の残高が増え、利子もつく。
生きるちからが湧いてくる。


これはこの二年ほどの自分の生活を振り返って身につけた「ストレスはずし」のわざでもある。


わたしみたいに月の残業時間がうん時間をこえ、休日も仕事がらみの勉強や仕事の前準備に追われている方はぜひ試してみてください。


すこしストレスが減ってきて、「世の中捨てたもんじゃない」という気持ちが出てくる。


「だったら、いつもはどんなだよ」という声が聞こえてくるが、ご想像とおりの暗澹とした気持ちだ。


こんなんじゃ、長生きはできない。
せめて安らかな終焉を迎えるために、「ストレスはずし」のわざはマスターしたい。