たそがれに還る
光瀬龍のSFじゃないが、昨日はたそがれどきになってようやく起き出して散歩する。
疲れがたまって、とにかく動きたくない。
歳はとりたくないねぇ。
この分では年内は映画も展示会へも行けそうにない。
だいたい来週のいまごろは北海道にいる予定だ。
うっかりと写真をとるのを忘れたが、夕焼け空が黒ずんで、人の顔がおぼろにみえるころ、うっそうとした木立のなかを歩くのはいいものだ。
がさがさと枯れ葉を踏む足跡がして、ふりむくと、すでに顔の造作もわからない夕闇のなか。
出会った人が死霊であろうと、妖怪だろうと分かりはしない。
おおげさに聞こえるだろうが、わたしの住むあたりには自然の森かとおもうような保全緑地が残っている。
縄文時代に人が住んでいた集落の遺跡もある。
こんな森のなかを歩いていると、山神だの精霊だのがいまにも後ろからついてくるような錯覚をおぼえる。
だからこそ、たそがれ散歩はやめられない。