ウサギの時間
時間がたつのが早い。
物理的な時間の早さということではなく、主観の問題だ。
正確にいえば、時計の針が早く回るのではなく、行動にとりかかる始動時間と、作業処理時間が遅い。
エンジンのかかりが遅く、モーターの回転数があがらないという状態だ。
原因は疲労の蓄積もあるだろう。
それ以上に、生理的な問題もあるらしい。
このところ身体のあちこちに原因不明の障りがあって、医者に診てもらってもどうにもならない。
「年齢的なもの」といなされて、
「つらくなったら、痛み止めをあげましょう」ということになる。
とにかく「動き」が遅くなった。始まりも終わりも。
ほ乳類から爬虫類に退化したような気がする。
加齢による身体の変化というもので、いわゆる「男の更年期」ではないかといわれる。
「いよいよ来たか!」
ウサギのようにぴょんぴょん跳ねるのは当分無理らしい。
しばらくはカメになって、やり過ごすだけと覚悟している。