主人公とは誰のこと
この時期にあんまりだと思うけれど、退職者の送別会があり、風邪をもらってきたらしい。
それで週末は更新ができなかった。
土曜日は12時間以上寝ていたので、なんとか持ち直した。
おかげで夕食のワインを買いに外出したきり、引きこもってしまった。
(風邪引きだけど、ワインは飲む!)
詳しいことは、読書日記に書こうと思うが、本を二冊ほど読む。
『自己探求』(飯塚毅)
『神のふたつの貌』(貫井徳郎)
飯塚さんの本は大変な名著だ。
絶版になっているのがおしい。
「おい、主人公、しっかり目をさましているか」
「はい」
「おい、主人公、人に騙されるなよ」
「はい」
これは飯塚さんが参禅した禅師の朝の日課だ。
禅師は九十二歳で死ぬまで、毎朝起きがけにこの言葉を自分にかけていたという。
「主人公」というのが、逸話のポイント!
「自分=わたし」と「主人公」はまったく別のもの。
このことに気づきなさいと、飯塚さんは獅子吼する。
これをよむと、プロテスタンティズムをミステリーに活かした貫井作品はどうしようもなく軽くなる。
鍵は「薫習」(くんじゅう)という言葉にある。