solon’s blog

英日日英、中日日中の翻訳業。外国語トレーニングを中心に書いています。

近親相姦が正しかった頃

ツタンカーメンの死因をさぐる番組をちょっとだけみた。
吉村作治教授監修の番組の再放送だ。


最近のCTスキャンツタンカーメンの死因が頭部骨折でないことが判明したのは驚いた。
ほとんどの類書では、謎の頭部陥没がレントゲン写真で確認されたとあり、ツタンカーメン暗殺説の有力な証拠とされているからだ。


ところで、CTスキャンにより、死の前日に受けた膝の骨折が死因ではないかという新説が登場。
吉村作治氏はそれでもワインによる毒殺説をとなえている。
専門家であるだけに、宮廷儀式や王朝の風習をもとに提案しているので、説得力がある。しかし、それだと膝の大けがはなんなんだという気もする。


結局、神官アイと将軍ホルエムヘブ(ハル・エム・ヘブ)の共謀説というところに、吉村説はおちつく。


ふたりとも、ツタンカーメンの後を襲って、ファラオになる。
そろいもそろって、かなりの年の爺さんだが、アイはツタンカーメンの正妃と結婚する。


ところで、神官アイは、ツタンカーメンの正妃アンケセンアメンの祖父だ。
孫と結婚してファラオになるのが、古代エジプトのすごいところ。


いや、それをいえばツタンカーメンとアンケセンアメンは異母兄妹だ。
古代エジプトの王族は、きょうだいの近親結婚が当たり前だった。


じいさんが孫娘と結婚するくらいはなんでもなかったのかもしれない。