インテリジェンスな怪物外交官
(インテリジェントの間違いではありません!)
元外交官の佐藤優が面白い。
『獄中記』を買った。
収監されているあいだの読書感想文と事件への思いを語る手記だが、
久しぶりにひりひりするほど知的な刺激をうけた。
この人の面白さは、マキャベリに通じる。
思想家であり、目下のところ挫折した官僚。
官僚制度の枠内で有能な佐々淳行と違って、この人は本物の思想家だ。
ジャーナリズム、アカデミズムの論客の歯がゆさに物足りない向きには、たまらない「毒」がある。
佐藤の意見に賛成できなくても、この厚みと重量感は快感だ。
なぜ読書界で佐藤優ブームが起きたのかよくわかった。
素敵にダークな経歴以上に、悪のカリスマめいた論説の魅力。
この人は作家というより、リアル ロボットものの悪役にふさわしい。
しばらく、佐藤優の本にはまりそうだ。
とにかく勉強家で、奥が深い。
時代の変わり目には、異端の怪物(プロディギア)が出現するものだが、
この人はどうもそれらしい。か