怒りを抑える呪文

連休も終わりが近づき、いらいらがつのる。
なぜか理由はわかっているのだが、それは現在の自分ではどうにもならないことばかり。


状況を改善するアイデアはあるのだが、実現は無理そうだ。
プライベートと仕事の両方で、これだから−−つらい。


自分でどうにもならないことは考えない−−というのが、自己啓発本の黄金律だが、ふと思い出しては腹が立つ。こればかりはどうにもならない。


憂鬱の原因をもうひとつ白状すると、会社の研修で近々、研修セミナーに一週間ほど拉致監禁される。
こんなときに、親切なことだと思う反面、怒りがつのる。
人間の潜在能力をすべて開花する自己啓発研修で、事態が好転するなら、昨年の業績はなんだ。
エラい人たちは、みんな研修受けたのに。


怒りがおさまらないので、まじないの本を取り出し、密教の本を開いて、印を調べ、真言（マントラ）をとなえる。


わたしの場合は、阿弥陀如来、観世音菩薩、普賢菩薩、毘沙門天がよいらしい。


何回か真言をとなえると、気が楽になった。
事ここにいたっては、もうなんでもやってやろう。
わたしにしてみれば、自己啓発セミナーよりも密教のほうがはるかに精神衛生上好ましい。