solon’s blog

英日日英、中日日中の翻訳業。外国語トレーニングを中心に書いています。

カトケンひとり芝居

加藤健一の一人芝居、「審判」を見てきた。
場所は航空公園の所沢ミューズ。


カフカとは違うロシアのお話。
敵軍の捕虜となり幽閉されたまま取り残された将校たちが、水や食料もないまま互いに食い合って生き延びる……


2時間半。休憩無し。でずっばりの一人芝居。
たいへんな力業だ。
ところが終演後に尻が痛いことにやっと気づくほど、舞台に引き込まれた。
軍事法廷の演台だけの舞台装置なのに、死体解体や殺人の場面がまざまざと目の前に浮かんだ。


暗黒の牢獄、そして解放されて歩く樺の木の森。
暗闇と、太陽の光と木々の緑さえ、加藤健一の語りとまなざしで描きつくされる。


殺人の場面を語る加藤の手が血にそまったように見えて仕方なかった。
ライティングのせいかと思って、オペラグラスを使ったがそんな色の照明はない。しかし、肉眼で見ていると、手が鮮血で染まったようだ。
あれはどういうことだったのだろう。


ネットで検索すると、同じような経験をした人たちがいるらしい。
そのような演出はしていないと、事務所ではいっている。


加藤はこの一人芝居を始めるために、事務所をたちあげたそうだ。
事務所は今回で創立25周年。


この芝居は、ホンモノに触れたい人にはおすすめだ。


http://homepage2.nifty.com/katoken/profile.htm
プロフィールと加藤健一事務所について


http://ticket.rakuten.co.jp/stage/judgement/
加藤健一インタビュー


http://homepage2.nifty.com/katoken/61-index.htm
審判