solon’s blog

英日日英、中日日中の翻訳業。外国語トレーニングを中心に書いています。

青田刈りは誤用じゃない

「青田刈り」「汚名挽回」「天下の宝刀」は、誤用だとある。


汚名挽回」「天下の宝刀」は、どう考えても誤用だと思う。
汚名を取り戻してどうする?
天下の宝刀ってなに?
こちらは納得。


ただし、「青田刈り」は広辞苑にも載っている。
「青田買い」というと、有望な学生を企業が公的に決められた
採用期間前にこっそり内定する意味だ。


個人的なイメージでは、「青田刈り」には、ろくに勉強もしない大
学生に内定をあたえてますます遊びほうけたバカをつくるという意味が
加算されているように思う。


中高年に多い誤用というより、一部大学だけ優遇された学歴偏重社会、
受験戦争時代の、やっかみがまじった新語ではないか。


それを考えると、汚名挽回も意味深だ。
中高年がこれまで生きてきた戦後50年は、一党支配と社会主義統制経済
世界だった。
そこでは、政界・官界・実業界・医療・法曹・司法のトップが汚名を次々と
取り戻す腐りきった泥沼が当たり前だった。


汚名挽回」も、スポーツ新聞のノリで、文学青年くずれが作り上げた
週刊誌というメディアから出てきた造語のような語感がある。


週刊誌のライター・編集長になった元文学青年たちは、もともとの意味を
知ったうえで、造語したに違いない。


「天下の宝刀」だって、自民党や旧通産省・旧大蔵省がことあるごとに
ふりかざしてきたさまざまな「闇の力」=昭和の統帥権の表現ではないか。


つまり、「青田刈り」「汚名挽回」「天下の宝刀」は誤用じゃない。
昭和という腐った時代の「新語」だ!


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050712-00000014-yom-soci
「青田買い」→「青田刈り」など、中高年ほど“誤用”