* また昭和が遠くなった
種村季弘さんがなくなりました。
スター澁澤澤龍彦さんの陰でしぶい脇役という感じの人でした。
71歳とは、昨今では早いと思えるけれど、
文学者はそんなに長生きできないから天寿をまっとうしたといえますね。
この人にあこがれてドイツ幻想文学を読みふけったのが、もう30年近く前。
澁澤さんと並んで、わたしがやくざな道(?)に足を踏み入れた原因のお一人。
いまごろは天国の澁澤さん家で、お茶でも飲んでいるかな。
それとも、異端のアーティストたちと酒を酌み交わしているか。
わたしにとって、澁澤さんがなくなったような気がしていません。
実際の面識がないので、作品の中の澁澤さんはインモータルです。
種村さんも、そういうインモータルのお一人です。