solon’s blog

英日日英、中日日中の翻訳業。外国語トレーニングを中心に書いています。

黒魔術の楽しい日々

黒魔術!
この言葉にうっとりしない御仁には、以下無用のことながら−−

「そも妖術とは心のわざ
深くしずむれば万人その掌中にあり
……
森羅万象 己のが意のまま
げにおそるべし おそるべし」


これにピキンッとくる人は−−あんまり若くないね、きっと。
SRIの後番組だから。
あの佐々木功さんが青年剣士という設定だった。


こちらは中国妖術だが、黒魔術のふんいきがたっぷり。
でも、なんといっても、澁澤龍彦(ファンなら渋沢竜彦なんて書いちゃだめ!)
だなあ。


「黒魔術の手帖」「秘密結社の手帖」「毒薬の手帖」「東西悪女物語」−−魔術の世界がぷんぷんにおってきた。


コリン・ウイルソンやアレスター・クロウリーが翻訳でかんたんに読める時代じゃなかったから、わたしたち澁澤ズ・チルドレンはむさぼるように澁澤ワールドを読みふけった。


知識的にはもっと深い種村季弘は澁澤さんと年齢的には同じくらいだが、出現時期がもう少し遅いイメージだ。
やはり澁澤さんと種村さんが、この手の先駆者だろう。


荒俣宏はとうぜん、澁澤ズ・チルドレンである。


ところで「澁澤ズ・チルドレン」なら、だれでも知っている澁澤の先達がいる。
それが、酒井潔だ。
長いこと絶版で手に入らなかった酒井潔の幻の名著が学研で文庫になったのが、2003年のこと。


それをやっと買った。


悪魔学大全〈1〉 (学研M文庫)

悪魔学大全〈1〉 (学研M文庫)



悪魔学大全〈2〉 (学研M文庫)

悪魔学大全〈2〉 (学研M文庫)



西洋儀式魔術でさえ古めかしく感じる今からよむと、古色蒼然としている雰囲気がたまらない。


だいたい魔術というのは、骨董に似ていて、新しいからいいってもんじゃない。
時代がかっていて、鈍色にくすんでいるところに値打ちがある。


酒井の本を読みながら、魔界に魂をとばすのは−−
絶対的な快楽です。


まだ未読の不肖の澁澤ズ・チルドレン(もしかして、わたしだけ?)は速攻で読むべし、読むべし。


「そも黒魔術とはオタクのわざ
深くしずむれば萌え万人の掌中にあり
……
げにおそるべし おそるべし」


黒魔術って、ぜったいにロリコンと関係あると思う。
世界に冠たるロリコン大国ニッポンの腐男子は黒魔術が好きである。