solon’s blog

英日日英、中日日中の翻訳業。外国語トレーニングを中心に書いています。

不死の実現

このあいだ土曜日に送り込まれた研修会で、日本経済新聞を読めとすすめられた。


自分はIT関連の翻訳者だから関係ないと思っていたが、今朝ははやく出勤したので駅売店で買ってみた。


人間の「不死細胞」を販売するという小さな記事を読んだ。
日本のジーンフロンティアという会社がアメリカにある子会社に「開発」させた人間の細胞だそうだ。


人間のいろんな部分の細胞を培養して、分裂増殖しても「劣化」しないように処理した細胞。
これを製薬会社に売って、新薬開発に役立てる。
考えてみれば、りっぱな人肉市場だ。

この細胞は自然にわいてでたわけじゃなく、提供者がいる。
提供者の意志にかかわりなく、その人の一部は永遠に生きる(?)わけだ。
−−「不死細胞」というのはもちろんレトリックで、実験素体にすぎない。
ただ、そうとも考えられるということ。


ジーンフロンティア社はさらに「不死細胞」の品揃えをめざしているらしい。


遺伝子工学の発達で人体が商品になるデストピアSFは、産業発達による人間疎外がすすむアメリカで1960年代からさかんにかかれた。

人体商品化は、旧世紀の悪夢が実現された「成功例」だろう。


ココロもカラダもお金に換えられる時代になった。
「お金」というものは、利殖や経済だけではなく、もっと大きな世界の構成要素になりつつある。
それは−−情報の「モナド」(ライプニッツ的な意味での)だ。